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保険にはどんな種類がある?3つの形式別、9つの目的別種類を紹介!

保険にはどんな種類がある?3つの形式別、9つの目的別種類を紹介!

保険と一言で言っても、実に様々な種類があります。保険の種類を考える際には、形式別・目的別にみる必要があります。

保険の種類について紹介をするとともに、正しい保険商品の選び方おすすめの相談先について紹介します。

自分に合った保険商品を見つけるための参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • 保険には形式における種類と、目的における種類がある
  • 保険利用はもしもの時に備えるためのものだがデメリットもある
  • 保険選択の際は保険ショップなど専門家に相談するのがおすすめ

目次

3つの保険の形・種類

保険の形式、形式の違いを解説

保険について理解するためには、まず保険の形式における種類を確認する必要があります。

基本的には、保険商品は以下の3種類の形式で構成されています。

  • 定期保険
  • 終身保険
  • 養老保険

保険料の払い込み期間、返戻金の有無及び大きさ、保障期間などの面で違いがあります。

保険を利用する目的や必要性に応じて採用する保険の形式を決めましょう。

定期保険|万一の備え

定期保険は、少ない保険料で大きな保障を得られるタイプの保険です。

保障期間が一定期間に定められている点も特徴です。

他の保険形式と比較して、返戻金が少なく満期保険金もないものが多いです。

基本的に掛け捨ての形式で保険付保をすることになります。

例えば、子供が自立するまでの期間に限定して定期保険を利用するケースが考えられます。

自身にもしものことがあっても、家族の生活に支障をきたさないような準備ができます。

このように、期間を限定して必要な保障を得たいと考える方などに広く利用されます。

保障金額を自由に設定できたり、他の保険契約に移行したりできる性質もあり、自在性が高いという側面もあります。

定期保険の応用|逓減型と年金型

定期保険は自由度の高い設定ができる便利な種類です。

定期保険を応用し、利用者の希望に即した効率の良い商品が提供されています。

定期保険の応用として広く活用されているものに、以下の2種類があります。

  • 逓減型
  • 年金型

逓減型とは、毎年少しずつ保障が減少していく形式となっています。

例えば、子供を持つ家庭では、年を重ねるごとに必要な累計資金は減少していくものです。

将来に必要となる資金を確保する目的で利用するのが定期保険です。

年ごとに保障を減少させていくことは、理にかなった対応で、保険料の支払い過ぎを防ぐ効果があります。

年金型とは、受取保険金を少額ずつ分割して受け取るタイプの保険です。

一時金として受け取るのではなく、毎年一定額を受け取れるので、安定した家計に役立てられます。

保険金を一時金で受け取るよりも保険料が安く設定されることも大きなメリットといえるでしょう。

終身保険|一生涯保障が継続

一生涯の保険。別の活用方法も

終身保険は、一生涯にわたって保障が継続する特徴があります。

保険料の支払いを終えると、そのあとは保険料負担がなくても保障が継続します。

定期保険に比べて保険料が高くなる傾向がありますが、一生涯の保障が得られるというのが大きなメリットになります。

相続税や葬儀費用など、将来必ず発生する費用に備える目的で利用されることが多いです。

また、解約返戻金が確保されている点も特徴です。

一生涯にわたる保障を得ながら、その保障が必要なくなった時に、解約して返戻金を老後資金に充てるといった活用方法もおすすめです。

終身保険は、解約返戻金を年金の形式で少しずつ受け取れるタイプの商品もあるなど、保障を得る目的と、老後資金を確保する目的の両面で利用できます。

養老保険|保険と貯蓄の目的を兼ねる

養老保険は、保障を得る保険の目的と、将来の資金とする貯蓄目的の両方を兼ね備えている商品です。

他の形式に比べて保険料はかなり割高ですが、保険期間が満期になると、死亡保険金と同額の満期保険金を得られます。

日本円の金利は、非常に低い水準で推移しています。(2022年4月現在)

銀行預金では、ほとんど金利収入が期待できません。

定期預金を利用してもほとんど利益が得られない状況で、養老保険を運用の代替手段として利用するケースが増えてきています。

保険期間が満期を迎えるまで資金を得るのが難しいのは注意すべき点ですが、銀行預金と比較するとかなり高い利回りを得られます。

利用しない余剰資金の運用先として活用するケースもあるでしょう。

また、10年後にまとまった資金が必要になるので、10年満期の養老保険を利用して10年後に満期保険金を受け取る、といった使い方もおすすめです。

将来予想される出費に備えて資金を段取りする目的にも適した保険商品といえるでしょう。

統計からみる形式別保険利用状況

形式による保険の種類を紹介しましたが、契約の件数および取引金額においては、定期保険が最も多くなっています。

これは、生命保険協会が作成する「新契約種類別統計表」から読み取れます。

2020年4月1日から2021年3月31日の間に新規で契約された保険の種類が取りまとめられています。

<新契約種類別統計表(全42社合計)*抜粋>
保険種類件数構成比金額(単位:百万円)構成比
定期保険1,837,19516.2%24,956,06553.2%
終身保険1,439,21112.7%8,746,08718.7%
養老保険299,7962.6%1,451,8013.1%

以上のように、件数は定期保険が終身保険より若干多いという結果です。

対して、金額においては圧倒的に定期保険の取り扱いが多いということが分かります。

保険といえば、定期保険が最大規模であることが統計から読み取れます。

目的別・保険の種類

保険の種類、目的別に解説

形式による保険種類の違いを紹介しましたが、保険を把握する上では、目的別による分類にも理解を深める必要があります。

保険には、様々な目的のものが用意されています。

保険を選ぶ際には、自分の目的に合ったものを選択するのが重要であることは言うまでもありません。

目的別に見た保険の種類の代表例を以下に9種類紹介します。

  • 生命保険
  • 医療保険
  • 学資保険
  • 自動車・バイク保険
  • 国内・海外旅行保険
  • 火災保険
  • 弁護士保険
  • ペット保険
  • スマホ・ネット保険

生命保険|死亡保障がメインだが他にも多岐にわたる

生命保険は、死亡や高度障害などのような万一の場合に備え、保障を得られる保険になります。

家族を養っている世帯主など、生計の中心を担っている方が加入するケースが多いです。

自分にもしものことがあっても、家族の生活を継続できるようにすることを目的にします。

生命保険といえば、死亡したときに保険金が下りるという印象を持っている方も多いかもしれません。

しかし、実際は生命保険と一言で言っても、様々なタイプの商品が用意されています。

代表的なタイプを以下に紹介します。

  • 死亡・高度障害への備え
  • 病気・ケガの保障
  • 介護への備え
  • 働けなくなったときの保障
  • 貯蓄にも活用できる

死亡・高度障害への備え

保険会社と契約を行っている被保険者が死亡したり、高度障害の状態になったときに、あらかじめ指定した保険受取人に対して保険金が給付される保険商品です。

高度障害の状態は、病気やケガが原因で、体の機能が重篤に低下している状態を指します。

細かい定義は保険会社によって様々な形で定められているため、あらかじめ保険の約款で確認する必要があります。

主に被保険者の遺族のために保険を付保するケースが多くなります。

遺族の方々の生活費を賄う目的であったり、被保険者の葬儀費用を用立てする目的で利用されるケースが多いでしょう。

また、相続税対策で利用されることも少なくありません。

生命保険金には、通常の相続資産よりも大きな非課税枠が適用されるなど、税制面で優遇されています。

死亡・高度障害への備えは、生命保険を利用する主要な目的であるといえるでしょう。

病気・ケガの保障

生命保険を利用する目的には、病気やけがに備えた保障を得るというものもあります。

病気やけがの内容によっては、高額の治療費や関連の費用が発生することがあります。

家計に大きな影響を与える要素となるので、あらかじめ保障を得るために利用するケースが多くなっています。

後述する医療保険が該当しますが、死亡保障・高度障害保障とセットで契約をするケースが多く見られます。

他に、がん保険や三大疾病保障など、特定の病気に特化した保険商品も提供されています。

目的が限定されている分、保険料が安く抑えられているという特徴があります。

介護への備え

被保険者が所定の要介護状態になったときに、保険金が得られるタイプの保険商品です。

要介護状態の定義は、保険会社によって様々です。

保険会社によっては、国が定めている基準に準拠していることもあります。

一方、保険会社独自で要介護状態の定義を行っているケースもあります。

国が定める介護認定の要件は、かなり厳しいものといえます。

そのため、なかなか要介護認定が下りず、保障を受けられないケースも考えられます。

一方、保険会社が定める独自の基準には、比較的認可を得られやすいものもあります。

介護状態に備える保障を重視したい方は、保険会社ごとの要介護認定の要件をしっかりとチェックして、認定されやすい保険商品を利用しましょう。

働けなくなったときの保障

生命保険商品の中には、病気やけがなどが原因で、働けなくなった間の収入補助を目的にしたものもあります。

就業不能保険と呼ばれる商品が代表例と言えます。

高度障害には至らないが、仕事ができないような状態に陥った場合、復帰するまでの収入を補填する目的に特化しています。

生命保険の内容によっては、認定される要件が厳しいケースがあります。

一方、就業不能保険の認定要件は、比較的簡単な内容になっているケースが多いです。

幅広い症状をカバーしている商品が多く、うつ病など精神的な病を対象範囲に含めている商品も少なくありません。

就業中に得られている収入に近い金額を保障してくれる商品が多いという特徴もあります。

貯蓄にも活用できる

効率の良い資産運用にも、生命保険の積立タイプ

生命保険は、商品の内容によっては貯蓄目的での利用も可能です。

前述の養老保険が最たる例で、保険料はかなり高いものの、将来満期を迎えたときに、払い込み保険料よりも高い金額の保険金が受け取れます。

他に、積み立てタイプの生命保険もあります。

一定期間まで、毎月一定額の保険料を支払い、満期を迎えた時に一括で保険金を受け取ります。

あるいは、年金の形式で保険金を少しずつ受け取れるタイプもあります。

このタイプのメリットは、保険と貯蓄の両方を兼ねられるという面が挙げられます。

例えば、払い込み開始後すぐに死亡あるいは高度障害になった場合、満期保険金と同額の保険金が給付され、かつその後の保険料支払いは免除されます。

貯蓄をしながら、満期を迎えるまでの期間で保障を受けられる、とても効率の良い資産運用ができるのは大きなメリットといえるでしょう。

それぞれのジャンルを組み合わせたセットの契約が多い

保険会社と生命保険の契約をする際には、以上で紹介したようなタイプの保障をセットにしたパッケージを利用するケースが多くなっています。

死亡保障・高度障害に対する保障のみに特化した保険商品の方が少ないかもしれません。

また、同じ死亡保障においても、異なる形式の契約を組み合わせるケースも多いです。

例えば、定期保険の形式で期間限定に大きな保障を得つつ、終身保険の部分を加えて将来の貯蓄を兼ねるといったセット商品にするケースもあります。

セットにしたからと言って割引が受けられることはありませんが、保険契約をわかりやすくするという意味ではメリットがあります。

元々複雑で理解が難しい保険商品なので、一か所の保険会社のみとのやり取りで済む方がシンプルで分かりやすいでしょう。

医療保険|病気・けがに特化

目的を絞って保険料を軽減、医療保険の活用方法

医療保険は、生命保険の一種として活用されることが多い保険の種類です。

生命保険の中でセットで契約するのではなく、医療保険に特化した商品も多く提供されています。

病気やけがに特化した保険で、入院費用や手術の費用に備えた保障を目的とするケースが多いです。

また、特定の病気に備えて医療保険を利用するケースも少なくありません。

例えば、がんの発生に備えたがん保険と呼ばれる商品も各種保険会社が提供しています。

目的を限定することで、保険料の負担を安くできるというメリットがあります。

医療保険の中にも、定期保険のタイプ終身保険のタイプがあります。

一定期間の保障を得たいのか、それとも一生涯にわたって医療費の保障を得たいのかなど、用途に応じて使い分けることが大事です。

学資保険|将来の教育費の備え

学資保険は、子供の将来の教育費を備えるための保険になります。

こども保険と呼ばれることもあります。

子供が大学に進学するタイミングを想定して利用されることが多く、子供が18歳になる年を満期に設定することが一般的です。

学資保険を選ぶ際には、返戻率を重視する必要があります。

返戻率とは、払い込み保険料総額に対し、受取できる保険金金額の割合のことです。

返戻率が大きいほど、貯蓄性に優れている商品と言えます。

逆に、返戻率が下がる代わりに保障を手厚くしている商品もあります。

保険料の支払い中に、保険料負担をしている保険者に万一のことがあった場合は、それ以上の払い込みをする必要がなくなり、さらに元々契約していた保険金を受け取る権利を得られます。

貯蓄性を重視しつつ、保険としての性質も持つ商品で、子供がいる家庭で利用されることが多いです。

自動車・バイク保険|交通事故への備え

高額な損害賠償の備え、自動車・バイク保険

自動車保険及びバイク保険は、交通事故への備えをするために利用される商品です。

自動車及びバイクに乗る際には、自賠責保険と呼ばれる、強制的に加入をする保険があります。

自賠責保険では、交通事故により発生した相手の治療費や慰謝料が保障されています。

自賠責保険に加入せずに自動車やバイクに乗っていると、法令違反となり罰せられるため、すべての運転者が加入するのが前提です。

一方、自動車保険及びバイク保険といえば、自賠責保険ではなく、任意保険の部分を指していることが多いです。

任意保険は、加入が義務とされていないもので、自賠責保険では保障されない部分を補う内容になっています。

交通事故により発生した相手方の自動車・バイクの修理代、自身の医療費、自身の車両の修理保障などが得られます。

交通事故で発生する損害賠償の金額はかなり高くなるケースが多くなり、自賠責保険だけでは賠償金の負担が大きくなりすぎる可能性があります。

そのため、車両を運転する方のほとんどが、任意保険に加入するのが一般的です。

国内・海外旅行保険|旅行中のトラブル

国内・海外旅行保険は、旅行中のトラブルに備えることに特化した保険商品です。

旅行の都度付保するケースが多いのですが、年間の包括タイプの保険もあります。

しかし、国内の一般的な観光旅行ではあまり有用性が高くないかもしれません。

医療保険に加入している場合は、旅行中のけがなどにも対応できます。

また、自動車による旅行の場合は、自動車保険に入って保障を得ているケースも多いでしょう。

国内旅行保険を改めて付保すべきケースといえば、山登りやスキーなどのように、危険な状況が考えられる場合です。

一方、海外旅行保険は、海外旅行をする際にはできるだけ付保しておくことをおすすめします。

海外旅行中に突発的に医療機関で治療を受けた場合、日本国内のように健康保険の制度は適用されません。

治療費が相当高額になるケースも少なくありません。

また、海外旅行先によっては治安が悪い場所もあります。

荷物の盗難に遭う危険も多いでしょう。

国内旅行保険は場合によって付保し、海外旅行保険は原則付保するという対応をすることをおすすめします。

火災保険|住まい用の保険

火災以外にも使える、持ち家必須の火災保険

火災保険とは、住まいに補償を付与するタイプの保険商品です。

火災保険という名称ですが、火災以外の要因で損害が発生した場合も補償の対象となります。

例えば、住まいが落雷で破損してしまった場合や、津波による損害が起こった場合、天井からの水濡れ被害の場合などにも対応しています。

火災保険で補償される内容は、保険会社や保険商品によって違いがあります。

また、自分で補償内容を選択できる組み立て型の保険商品を提供している会社もあります。

火災保険への加入は、住宅ローン契約を締結する際に必須条件とされているケースも多いので、不動産を購入して持ち家で生活する際には、実質的に必要不可欠な保険と考えられています。

火災保険で注意するべきポイントは、地震による被害を補償していない点にあります。

そのため、火災保険とともに地震保険をセットで契約するケースが一般的です。

弁護士保険|弁護士費用を保障

弁護士保険とは、訴訟などの際に負担することになる弁護士費用を保障する商品です。

弁護士に法的なトラブルに関する相談をして、裁判などの手続きを取る際には、かなりの高額の費用が発生するケースがあります。

弁護士保険が対象としているのは、個人間のトラブル法人及び個人事業主におけるトラブルの2種類に大別されます。

個人で発生しやすいトラブルといえば、交通事故時の示談、近隣住民トラブル、医療過誤の問題などが挙げられます。

法人や個人事業主が遭遇しやすいトラブルといえば、従業員との雇用関連のトラブル、顧客からのクレーム対応、契約上の不履行問題などが挙げられます。

弁護士保険を個人で利用するケースはあまり多くありませんが、接客業など法的トラブルが起こりやすい業種を経営している個人事業主にとっては、有用性のある保険商品かもしれません。

ペット保険|ペットの医療費などの保障

ペット保険とは、飼育するペットの医療費などを保障するタイプの商品です。

ペットが病気やけがになった時に発生する医療費には、健康保険が適用されることはなく、すべて自由診療による全額自己負担となってしまいます。

そのため、治療内容によってはかなりの高額医療費が発生するケースがあります。

近年、生活環境の向上やペット用食料品の品質向上により、ペットが高齢化し、長生きするケースが増えてきました。

そのため、医療費が発生するケースも以前より増している状況です。

ペットを飼育する方にとっては、ペット保険は大変有用な保険商品といえます。

ペット保険を利用する際は、保障されるペットの種類をよく確認しましょう。

犬や猫などは、たいていのペット保険で保障の範囲に含まれますが、ハムスターやうさぎなどは保障の対象にしていない保険商品もあります。

自分が飼育しているペットが保障の範囲に含まれているかについては、よく確認してから保険契約を行いましょう。

スマホ・ネット保険|端末の故障への保障

格安SIMで需要増、携帯端末保険

スマホ・ネット保険とは、スマートフォンなど携帯端末の故障を保障する保険商品のことです。

スマートフォンには、メーカー保証が付与されていることが一般的です。

しかし、メーカー保証は基本的に自然故障、あるいは端末側に不備があった場合にしか対応していません。

利用者の過失により故障した場合の保障は、メーカー保証では受けられないので、修理する場合の費用は自己負担となってしまいます。

スマートフォンは普段から持ち歩いて使用するため、破損させてしまうケースが多い精密機器です。

水没や落下による破損は頻繁に起こるので、故障に備えて保険を利用する方も少なくありません。

スマホ保険には、キャリアが保証するタイプ、端末メーカーが保証するタイプ、一般的な保険会社が保障するタイプなど、種類があります。

保険商品によって保障内容にかなり違いがあります。

端末やキャリアの変更のタイミングで保証が終了する商品や、逆に変更しても保証が継続するタイプもあります。

様々な保険商品を比較して、自分に合った保証内容の商品を確認して利用しましょう。

統計からみる目的別保険利用状況

生命保険協会が作成する「新契約種類別統計表」を見ると、目的別の保険商品の利用状況が見えてきます。

2020年4月1日から2021年3月31日における新規契約の内容を見ると、やはり死亡保険を含む生命保険の契約が圧倒的に多いことがわかります。

しかし、医療保険は意外に少なく、年間契約金額は135,390百万円です。

一方、学資保険(こども保険)は医療保険よりも多く、年間契約金額が525,718百万円といった結果があります。

子供を持つ家庭の多くが学資保険を利用していることが読み取れます。

学資保険は子供が生まれる前から加入できる商品も多く、将来の教育費を準備したい方が早めに加入しています。

子供の教育費に対して不安を感じている方が多い、そういった状況が想像できる結果といえるでしょう。

保険は利用するべき?|メリットとデメリットがある

民間の保険会社で各種保険を利用しているという方は、現在非常に多いのではないでしょうか。

しかし、民間保険を利用するかは利用者の任意の判断にゆだねられます。

保険契約を行っている方の中には、民間保険を利用する必要がないものの、何となく利用しているという方もいるかもしれません。

果たして民間保険は利用するべきなのか、メリットとデメリットを踏まえて決定する必要があります。

保険利用のメリット|3項目紹介

保険利用のメリット、相続トラブル・税金対策にも

民間保険を利用することには、もちろんメリットがあります。

メリットとデメリットを総合的に判断して、保険を利用するかを決める必要があります。

まず、利用におけるメリットを理解して、自分の生活環境や家族構成において利用価値があるかを考えてみましょう。

保険を利用することのメリットについて、一般的な項目を以下に3つ紹介します。

  • 万一の備えになる
  • 相続対策に活用できる
  • 所得税・住民税の減税効果

万一の備えになる

保険を付保しておくことで、万一の備えになります。

このメリットが、保険を利用する最たる理由であるべきです。

特に、家計をメインで支える人に万一のことがあった場合、残された家族の生活は一気に厳しくなります。

また、例えば自動車の任意保険は、実質的に車両保有者の方はほとんど加入しているでしょう。

しかし、対人の賠償は、相当高額になってしまうケースがあります。

一生かけても清算できないような賠償責任を負ってしまうこともあり得ます。

任意保険には、対人賠償において無制限という契約が可能で、もしもの事故にも十分に備えられます。

高いリスクに対して保険を付保しておくことは、もしもの時に備えるという意味で大きなメリットがあります。

相続対策に活用できる

保険商品のうち、生命保険は相続対策に活用可能です。

亡くなった方の保有資産が一定額を超えている場合、遺族は相続税を負担する必要があります。

被保険者が亡くなった本人、受取者が相続を受ける者であった場合、死亡保険金も相続税対象資産に含まれます。

しかし、死亡保険金には相続人1人当たり500万円の非課税枠が適用されます。

もし、銀行預金でそのまま資金を残している場合は、全額が相続税申告の対象となりますが、生前に預金額を生命保険に付保し、死亡保険金が支給される形式を選択することで、非課税枠を増やして節税効果を得られます。

また、生命保険の受取人の割合を設定することで、遺産相続のトラブルを未然に防ぐ活用もできます。

例えば、子供2名に遺産を相続する場合、受取保険金の割合を50%ずつにすることで、遺書がなくても、あるいは遺言の手続きがなくても、自動で遺産を半分ずつに分ける結果となります。

保有する資産を一括払いの終身保険で使用することで、節税対策と遺産相続のトラブル対策の両面に活かせるというのは、生命保険の大きなメリットといえるでしょう。

所得税・住民税の減税効果

保険商品の中には、所得税及び住民税の減税効果が得られるものがあります。

確定申告及び年末調整の際に、生命保険や年金保険を支払っている証明書があれば、所得金額から支払をした金額を控除できます。

所得金額が減るということは、伴って税金の負担が減ることにつながります。

保険料の支払により、所得控除が適用される保険には以下のようなものが挙げられます。

  • 生命保険
  • 年金保険
  • 地震保険

しかし、支払った保険料がすべて控除対象となるというわけではありません。

それぞれの種類ごとに控除の上限額が定められています

所得控除を受ける目的で保険契約をするというのはおすすめできませんが、家計の負担を軽減できるメリットであることに変わりはありません。

年金保険を利用して将来の生活資金の準備をしつつ節税効果を得る、そういった効率的な資産運用として活かすのがおすすめです。

保険利用のデメリット|3項目紹介

保険利用のデメリット、インフレと解約のタイミング

保険商品を利用することには、以上で紹介したようなメリットがあります。

しかし同時にデメリットも存在することを理解しておく必要があります。

保険商品の利用を決める前に、メリットとデメリットをトータルで考慮し、最も最適な選択ができるようにしましょう。

保険商品を利用することにおけるデメリットの代表例を以下に3項目紹介します。

  • 保険料がかかる
  • インフレリスクがある
  • 解約のタイミングによって損をする(貯蓄性保険の場合)

保険料がかかる

保険契約を結ぶことで、保険料を負担することになります。

保険料の支払方法は様々用意されていますが、月ごと一定額を支払う形式を選択している方が多いのではないでしょうか。

一生涯の中で大きな負担となる項目として、住宅関連費用、教育費などがあります。

実は、これに準ずる費用として、保険料負担金額もかなり大きな負担となっている家庭が多いです。

一月ごとの支払額はそれほど大きくないとしても、毎月確実に支払いが発生するため、類型にするとかなりの高額に達することも少なくありません。

もしもの時に備え、必要な保障を得る為に保険を利用するのは常とう手段ですが、必要な保障を超え、過剰に保険を付保することは無駄な出費につながってしまうため、避けましょう。

自分及び家族にとって適切な保障内容の保険を活用することが、家計を考えるうえでも大変重要です。

インフレリスクがある

保険商品は、インフレに弱い、インフレリスクが高いといわれることが多いです。

実は、インフレリスクがあるのは保険に限ったことではなく、銀行預金や年金についても同様のことが言えます。

インフレとは、正式名称ではインフレーションといい、金銭の価値が大幅に下がる現象を指します。

例えば、インフレが進行して金銭の価値が半分になったとすると、これまで1,000円で購入できていた商品を、2,000円出さないと購入できなくなってしまいます。

日本の保険会社で契約する保険商品の多くは、日本円建てで保険金が支給されます。

受取保険金の金額は、物価の上下動に関係なく一定である契約がほとんどです。

つまり、将来受け取るであろう保険金は、一定金額が確保されている一方で、将来において金銭の価値が急激に下がってしまった場合は、相対的に受け取れる保険金の価値が大幅に下がってしまう可能性があるということです。

インフレリスクを回避するためには、資産運用商品を活用するなどの対策が考えられます。

資産の多くを保険につぎ込むことで、金銭価値の変化によって思わぬ不利益を被る危険があるということを理解しておきましょう。

解約のタイミングによって損をする(貯蓄性保険の場合)

保険商品は、解約をするタイミングによっては損になってしまうことがあります。

個人年金保険や養老保険のように、貯蓄性の保険商品を利用する場合に起こりうる現象です。

将来の生活資金を貯蓄する目的で保険料を支払うものの、一定期間を超える前に解約すると、支払った保険料よりも少ない金額でしか解約返戻金を受領できないケースがあります。

貯蓄性の保険商品を選択する場合は、原則的には満期を迎えるまで保険料を支払える見通しが立ってから実行することをおすすめします。

一方、もともと掛け捨てで契約した生命保険などにおいては、返戻金が存在しないので、貯蓄性保険商品よりも解約のタイミングに配慮する必要はありません。

保険と共済はどう違う?|共済は非営利事業

保険と共済の違い、共済のメリットとデメリット

民間保険の利用を検討する際に、「共済」も比較の対象に加えるという方も多いのではないでしょうか。

民間の保険と共済保険は、もしもの時に備える保障を得るという点で似ていますが、もともと違う成り立ちの制度です。

まず、共済は非営利団体であるという点が大きな特徴として挙げられます。

組合員の中で助け合うという理念が根幹にあり、積極的な資産運用は行われません。

したがって、共済保険を利用するためには、該当の共済団体の組合員になる必要があります。

共済のメリットとしては、掛金が低い傾向にある点が挙げられます。

また、最初から死亡保険と医療保険がセットのパッケージになっている商品が多く、非常にわかりやすい点もメリットと言えます。

一方、共済のデメリットとしては、保険の内容の自由度が低いという点が挙げられます。

最初から契約内容がパッケージになっていることから、それ以外の選択肢がありません。

また、保障される金額を高く設定できないというのもデメリットといえるでしょう。

民間保険と共済保険のどちらの方が自分に適しているのか、十分に中身を理解して判断することが重要になります。

保険を選ぶときの注意点|目的を明確にする

保険の注意点、保険利用の目的

これまで紹介してきたように、現在では様々なタイプの保険商品が提供されています。

利用する側としては選択肢が広く、自分に合った商品を見つけやすい環境といえます。

しかしその反対に、誤った選択をしてしまう可能性が高い状況でもあります。

保険は、単に保障を手厚くすると良いといったものではありません。

利用する商品を決める前に、まず自分が保険を利用してどうしたいのかどんな保障をどの程度の規模で得たいのかをよく考えましょう。

保険を選ぶ時の注意点として、一般的な判断基準を以下に3項目紹介します。

  • 利用目的に合った商品を見つける
  • 公的保障の内容を考慮する
  • 保障内容に過不足がないか確認

利用目的に合った商品を見つける

保険を利用するにあたって、まずは利用目的を明確に決めましょう。

何のために保険を利用するのか、しっかりと自分の中で整理することが重要です。

例えば、20歳前半で、社会人になりたての頃は養う家族もおらず、自分にもしものことがあっても困る人は多くないといえます。

そのため、大きすぎる保障は必要なく、葬儀費用や医療費の備えなどで十分と考えられます。

逆に、老後の生活資金を早い段階から貯蓄する目的で、個人年金を利用するのもよいでしょう。

一方、30歳後半で、結婚して子供が生まれたばかりの段階になると、大きく状況は違ってきます。

自分にもしものことがあったら、生活に困ってしまう家族の存在があります。

死亡保障を多めにしたり、重病に備える医療保険を手厚くする必要が出てくるでしょう。

さらに年齢を重ねて50歳後半になると、子供が独立して自身の責任範囲が狭くなってきます。

この段階になったら、保障を減らすことを検討するのが一般的でしょう。

以上のように、自身が置かれている状況などによって、保険の利用目的も変わってきます。

利用目的にぴったりと合った保障内容を選択しましょう。

公的保障の内容を考慮する

日本には、民間保険だけでなく、公的保険制度があります。

国民皆保険」という言葉もあるように、全国民に平等に与えられた権利となっています。

公的制度で保障された内容では不足している部分を、民間保険で補うという考え方が理想的です。

公的保険制度で十分保障されている部分に、さらに民間保険を利用して保障を手厚くするというのは、保障が過剰になってしまう可能性があります。

民間保険を利用する前に、公的保険制度で保障されている範囲をよく理解しましょう。

公的保険で保障されている内容で十分であると判断される状況では、無理に民間保険に加入する必要はありません。

保障内容に過不足がないか確認

民間の保険会社で契約する保険商品の多くは、保障の規模を自由に変えられます。

自分の判断で、重点的に保障を手厚くしたい分野に対して多めに保険料を支払う、という選択も可能です。

例えば、治療費の保障を手厚くして、死亡保障はそこそこにする、といった保障の程度を自分で決められます

最初に考えた、保険利用の目的を再度思い出して、利用しようとしている保険商品で過不足がないか、見直してみましょう。

保険料の負担は、決して安くありません。

定期保険のように、掛け捨てタイプで後に何も残らないものも多いです。

必要以上の保障を得て、無駄に保険料を負担することのないようにしっかりと契約内容を精査しましょう。

保険商品を見つける方法|自分で探すか専門家に相談するか

自身に合う保険の見つけ方、おすすめの方法を紹介

現在は、様々な保険商品が利用できることはすでに紹介してきました。

数ある保険商品の中から、自分に合ったものを選択するためには、それぞれの商品の特徴を比較しながら、細かい条件を取捨選択していく必要があります。

特定の保険会社の担当者に相談をするという方法をイメージする方も多いかもしれません。

企業に勤務していると、保険会社の営業担当者が訪問してきて、保険を勧められた経験を持つ方も多いでしょう。

しかし、特定の保険会社の営業担当者の場合は、同社の商品しか紹介してくれません。

保険会社ごとに様々な特徴のある商品が提供されているので、選択肢を幅広くして商品比較をした方が、自分に合った保険商品が見つけやすくなるでしょう。

保険商品の見つけ方の中で、一般的におすすめとされている方法を以下に3種類紹介します。

  • 保険比較サイトを利用
  • 保険ショップの利用
  • ファイナンシャルプランナーなど専門家に相談

保険比較サイトを利用

インターネット上で公開されている保険比較の専門サイトを利用する方法があります。

比較サイトでは、簡単な操作で自分の希望条件に合った商品が見つけられるようになっています。

死亡保障の金額、医療保障の範囲、収入保障の有無など、所定の検索条件を埋めていき検索をかけるだけで、様々な商品の中から最も希望条件に近い商品をピックアップしてくれます。

ピックアップされた商品の選択をすることで、保険契約の画面に遷移できるケースが多いので、手続きが非常にスムーズです。

検索結果を表示する際にも、保険料が安い順、あるいは保障が大きい順など、重視する希望条件ごとの並べ替えができるサイトが多いです。

ネット環境があればいつでも実施できる方法なので、まず気軽に検索してみるといった活用方法にも向いています。

保険ショップの利用

保険商品を専門的に取り扱っている、保険ショップを利用するという方法があります。

保険ショップは、全国各地で営業を行っており、保険に関する相談を対面式で受けられます。

近年は、オンラインのリモート機能を利用して、自宅からでも相談できる環境を提供している保険ショップも増えてきました。

ショップの経験豊富な担当者に、対面で保険に関する相談ができるので、インターネットでの検索が苦手という方にもおすすめです。

口頭で細かい希望を伝えられ、希望に適した商品を紹介してくれます。

複数の保険会社の商品を組み合わせた、最適な契約内容の提示をしてくれるケースもあります。

これは、保険会社との契約や、インターネットを利用した検索では難しいので、対面式で相談する強みといえるかもしれません。

ほとんどの保険ショップが事前予約制となっているため、あらかじめ利用する保険ショップを選択し、事前に相談する日程を決めておきましょう。

ファイナンシャルプランナーなど専門家に相談

ファイナンシャルプランナーなどの、保険の専門家に個別に相談をするという方法があります。

ファイナンシャルプランナーとは、保険だけでなくお金に関することを総合的に理解して解説してくれる、お金に関するプロです。

インターネットの保険検索サイトには、ファイナンシャルプランナーに相談するコーナーが設けられていることが多いので、見たことがある方も多いかもしれません。

ファイナンシャルプランナーに相談することの強みは、保険商品に関する紹介だけでなく、ライフプラン全体を見たうえで、適切な判断をしてくれる点にあります。

ファイナンシャルプランナーに相談すると、ほとんどの場合、最初に今後の人生設計についてヒアリングを受けます。

結婚する年齢、出産する予定年齢及び子供の人数、住まいの希望は持ち家か賃貸かなど、かなり細かい部分までのヒアリングとなります。

ライフプラン全体を把握してもらったうえで、最も適切な保険とはどんなものか、わかりやすく解説してくれるでしょう。

時には、保険は利用しない方がいいという選択肢を提示してくることもあるかもしれません。

ファイナンシャルプランナーは、保険会社の営業担当者のように、保険契約を強く勧めてくることはありません。

客観的な視点で、最も適切な選択肢を提示してくれるので、安心して相談できるでしょう。

まとめ|保険の種類を理解して自分に合った商品を選ぼう

まとめ。目的を明確に自身に合う保険を

以上、保険の種類について紹介をしてきました。

形式による種類及び目的別の種類という視点から、保険が多岐にわたっているということを解説しました。

また、保険利用にはメリットもあればデメリットもあるので、総合的に判断して利用するかどうかを決めることが大事です。

まずは利用する目的を明確にして、目的を満たすために適切な保険商品とはどんなものか、よく考えて選びましょう。

保険ショップやファイナンシャルプランナーなど、相談先も用意されています。

積極的に活用して、納得のいく保険商品選びをしてみてはいかがでしょうか。

参考:https://www.seiho.or.jp/data/statistics/summary/